会長挨拶

ごあいさつ

 新緑爽やかな季節を迎えて、恒例の東京山中・山高同窓会を、当番期の昭和五十二年卒の皆さまのご尽力により、賑々しく開催できますことは、まことにご同慶に存じます。
 さて、このたび私は、去る三月二十六日開催の幹事会でのご推挙に従い、会長に就任いたしました。甚だ微力ではありますが、同窓の皆さまのお力添えを頂き、伝統あるこの同窓会を、ご一緒に今後一層盛んなものにいたしたいと念願しております。何とぞ宜しくお願い申しあげます。
 顧みますと我が母校の淵源は、遠く一八一五年に上田鳳陽が私塾として山口講堂を設立した時に始まります。その後藩校に昇格して一八四五年に講習堂、一八六三年に山口明倫館、一八七〇年に山口中学、一八七三年に鴻城学舎へと改組を繰り返した後、明治維新後の一八八〇年(明治十三年)に、県立山口中学校になりました。
 我が母校は、このようにその淵源から数えて一九四年、県立山口中学校発足から一二九年という実に古い歴史を有し、この間の卒業生は四万二千人を数えます。これは私ども同窓生が、大いに誇りとするところでありまして、母校がこの輝かしい伝統をしっかりと受け継ぎ、ますます発展することを強く願うものであります。
 さて、私たちの今日がありますのは、多くの人々との有難いご縁のお蔭であります。ご縁には、血縁や地縁や職縁などありますが、もう一つ忘れてならないのは、ふるさとの同じ学校で学んだ学縁であります。青春時代の私たちを暖かく育ててくれた学び舎、それは齢を加えるほどに、懐しく大切な思い出の宝物になってまいります。
この同窓会は、そうした有難い学縁で結ばれた先輩・後輩や同輩との年一回の楽しい集いです。青春の頃に若返って、大いに旧交をあたため合いたいと存じます。この同窓会を、今後とも末永く盛り立てていくことを、本日ここにご参集の皆様とご一緒に誓い合い、ご挨拶といたします。

平成二十一年五月十六日
東京山中・山高同窓会会長  野 村 邦 武